屋根の棟部に取り付けてある板金のことを「棟板金」と呼んでいます。棟板金は、ちょうど屋根面の継ぎ目に被せてあり、雨水の浸入を防ぐ大切な部材です。しかし、見てのとおり屋根には何も遮るものがありませんから、風の影響を最も受ける部位と言ってもいいでしょう。
風に飛ばされてしまうなど被害が多い部位であり、何よりも高所にあるため状態が見えにくいというのも気をつけておかなければなりません。
本記事では、棟板金の構造や役割、劣化症状、メンテナンス方法、火災保険の活用まで分かりやすく解説します。
棟板金とは?構造と役割
棟板金とは、棟部にある板金のことです。屋根の継ぎ目となる箇所に被せてあり、雨水の浸入を防いでいます。
構造は、棟部分に「貫板(ぬきいた)」と呼ばれる木材や樹脂製の下地を固定し、その上から板金を被せて釘で留める仕組みです。継ぎ目や釘の頭には、シーリング材が施されています。
主な役割は、「防水」「屋根材の飛散防止」「美観の向上」の3つです。屋根の継ぎ目から雨水が入り込むのを防ぎ、棟付近の屋根材が風で飛ばされないよう押さえ、さらに屋根の頂上部をすっきりと仕上げて外観を整えます。棟は雨風にもっとも直接さらされるため、屋根全体を守る要といえます。
棟板金は風に飛ばされる被害が多い!?
棟板金は屋根の最も高い位置にあり、強風の影響を受けやすい部分です。台風や突風の際に、板金が浮いたり飛散したりする被害は数多く報告されています。
原因の多くは、下地である貫板の劣化と釘の緩みです。木製の貫板が水分を含んで腐食すると釘が効かなくなり、強い風に煽られることで飛散につながります。
棟板金は大きな部材です。飛散した板金が近隣の建物や通行人に被害を与えるおそれもあるため、傷んだまま放置してしまわないように、定期的に点検とメンテナンスを行うことが大切です。
棟板金は定期的に点検とメンテナンスが必要
棟板金は常に紫外線や雨風にさらされるため、年数とともに確実に劣化します。設置から10年前後を目安に、点検を行うことをおすすめします。台風や強風の後にも点検が有効です。
地上からは異常が見えにくく、症状が進行してから発見されるケースも多くあります。屋根への昇降は転落の危険があるため、ご自身での確認は避け、専門業者にご相談ください。
棟板金にこんな症状があればメンテナンスをご計画ください!
次のような症状が見られたら、メンテナンスをご検討ください。
・棟板金が浮いている、または波打っている
・釘が浮いている、抜けている
・継ぎ目のシーリングが割れている、剥がれている
・錆や塗装の剥がれがある
・天井や壁に雨染みがある
棟板金の劣化が進むと、風に飛ばされるリスクが高まります。錆も固定強度を低下させる要因の一つなので、錆びる前に塗装して防錆しておきましょう。
天井や壁に水が染みた跡がある場合は、雨漏りが発生している疑いがあります。雨漏りの原因は多岐にわたり複雑なため、一概には言えませんが、棟板金などの屋根が原因となる雨漏りは、2階にある部屋の壁や天井に症状が現れる傾向があります。
棟板金のメンテナンス方法
症状の程度に応じて、次の方法で対応します。早い段階で対処するほど、工事の規模も費用も小さく済みます。まずは現地調査で、板金だけでなく建物全体を確認することが大切です。
シーリング補修
シーリング(コーキング)は水の浸入を防ぐ役割があります。棟板金には継ぎ目や釘を打ち込んでいる箇所で隙間が生じるため、シーリングを打って防水処理しています。
一般的なシーリングは10年前後が耐用年数となりますので、定期的に打ち替えが必要です。屋根塗装を実施する際にシーリングを新しく打ち直しています。
釘補強
棟板金は風の煽りや、熱による膨張・収縮により、経年とともに釘穴が広がってきます。釘の保持力が低下してくるため、下地が良好なら新しく釘を打ち直して補強しています。もし、下地の貫板が傷んでいる場合は、棟板金のみ既存利用できないため、下地ごと棟板金を交換します。棟板金は部分交換も可能です。
棟板金の部分交換・全交換
板金の変形やサビ、貫板の腐食が進んでいる場合は交換が必要です。被害が一部なら部分交換、広範囲に及ぶ場合は全交換となります。貫板を腐食しにくい樹脂製にすると、耐久性が向上します。
近年では「点検商法」という悪質な手法で高額な費用を請求されるトラブルが増えています。突然訪問してきて「無料で点検します」「屋根が浮いています」などの口実で点検を促してくる業者はきっぱりとお断りください。
点検商法についてはこちらの「屋根の板金が浮いていると言われたらどうすればいい?」で詳しく解説しています。
台風などの自然災害による損傷は火災保険を使える
「火災保険」という名称から、火災にしか使えないと思われるかもしれません。しかし、多くの火災保険は、風・雹・雪などの火災以外の災害にも対応しており、自然災害で棟板金が損傷した場合は、利用できる可能性があります。
台風や強風による損傷は「風災補償」、雹による被害は「雹災」、雪による被害は「雪災」の対象です。
ただし、経年劣化による損傷は対象外となるのが一般的で、契約内容によっては補償されない場合もあります。申請は被害から3年以内が目安で、被害状況の写真や修理見積書が必要です。火災保険が適用できれば予期しない修理費の負担を軽減できますので、まずは保険会社へご確認のうえ、専門業者に調査をご依頼ください。
火災保険についてはこちらの「火災保険を使った修繕」で詳しく解説しています。
まとめ
棟板金は防水や屋根材の飛散防止、美観を担う重要な部位です。高所にあるため、劣化が進んでいても気づきにくい場所です。風の影響を強く受けますから、被害が出てしまわないように、10年前後を目安に定期的に点検の実施をおすすめします。
台風などの自然災害による損傷は、火災保険が適用される可能性があります。修理費の負担を減らすことができますので、もし被害を受けてしまった場合は、火災保険のご利用もご検討ください。
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“mu”
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