モルタル壁はどのような修繕が必要なのでしょうか?
モルタル壁の特徴を踏まえたうえで、必要な点検や修繕をみていきましょう。
そもそも、モルタル外壁とは?
モルタルはセメントと砂に、水を混ぜた材料です。
サイディングボードなどのように、貼っていくのではなく塗っていくため、何層かによって構成されています。
モルタル外壁は工程が複雑で施工日数がかかるため、現在はあまり使われていません。
1980年代ごろまでは主流だったので、築30年くらい経っているお家には多い外壁です。
モルタル壁の種類
モルタルは仕上げによって、種類が分かれます。
・リシン吹付
上塗り塗装材に、骨材(小石や砂)を混ぜて吹き付けます。
表面がザラザラしており、落ち着いた風合いを出すことができます。
・スタッコ仕上げ
セメントと上塗り材に石灰、砂などを混ぜて吹き付けたものです。
リシン吹付けよりも厚塗りとなり、高級感・重厚感のある仕上がりになります。
・吹き付けタイル
タイルガンという専用の機材を使用して、3回塗りで仕上げる種類です。
骨材が入っていないため、比較的に柔らかくひびが入りにくいです。
・リシンかき落とし
リシンを吹きかけたあとに剣山などでひっかき、ザラザラとした表面にしていく仕上げ方です。
・左官仕上げ
職人がコテで模様をつける仕上げ方で、オシャレな雰囲気にしたい方に人気の模様です。
モルタル壁の特徴
メリット
・防火性能が高い
・デザインの自由度が高い
モルタルは外壁材として防火性能があります。
また、デザインの自由度があり、意匠性に優れています。
継ぎ目がなく、仕上げとして行う塗装の工法によって多彩な表情を表現できるのが、ほかの素材にはないメリットといえます。
デメリット
・ひび割れが起きやすい
・防水性能が低い
・汚れが溜まりやすい
モルタルは砂とセメントに加えて、水が混ぜ合わさっているため、施工不良などがなくても、乾燥収縮によるひび割れは避けられません。
また、モルタル自体の防水性能が低いので、防水性能が高い塗料を選ぶ必要があります。
モルタル壁 セルフ簡単外壁チェック
・汚れやコケ、カビの発生
モルタルの外壁は表面が細かく、ザラザラしている仕上げのため、汚れが付きやすいです。
そのため、定期的に柔らかいブラシなどで水洗いをするといいでしょう。
汚れが付きやすいということは、汚れが溜まった場所にできるカビやコケが生えやすいということです。
カビやコケを放っておくと洗っても落ちなくなります。
・ひび割れ(クラック)の発生
モルタルは施工している間に、硬化と乾燥を繰り返しています。
収縮が起こることで、ひびが発生します。
どれほど経験値が高い職人が施工をしたとしても、施工中の天候や立地の問題からひびを完全に防ぐことは不可能です。
髪の毛くらいのひびであれば、すぐの対処は必要はないですが、それ以上の幅が広がった場合は、補修がすぐにでも必要な状態です。
この状態を放っておくと、モルタル内部に雨水が浸入し、雨漏りにつながる可能性があるのです。
・色褪せやチョーキングの発生
色褪せはモルタルを保護している塗膜が劣化してきた状態です。
乾いた外壁を触った時に手に粉が付く現象を「チョーキング現象」と言い、放っておくと防水性が低くなり、モルタルの外壁の劣化を進行させるので近いうちに塗り替えを行いましょう。
・塗膜の浮きや剥がれ
モルタル外壁にできたひび割れから、水分がしみ込んで湿気を含んだ空気が塗膜を押し上げて浮いたり、膨れたり、剥がれたりすることがあります。
この状態を放っておくと、普通の塗装よりも費用がかかることになります。
モルタル壁のメンテナンス方法
①モルタル壁の塗装
モルタル外壁の主なメンテナンス方法は塗装です。
劣化症状でいうと、ひび割れが大きくなり始めていたり、チョーキングが発生する築7~10年が目安です。
ひび割れが大きかったり、塗膜の浮きや剥がれが起きている場合は、下地まで水が浸入している可能性があるため、再塗装では修繕が不可能な場合があります。
再塗装が必要かどうかはプロに一度見てもらうほうがいいでしょう。
②カバー工法 100~250万円
カバー工法とは既存のモルタル壁の上に外壁材を上張りする方法です。
再塗装では修繕できないほど、劣化が進んでいるときにはカバー工法をすることが多いです。
モルタル壁の劣化が進んで、カバー工法により費用が高くなる前に、塗装をオススメします。
③部分補修
細かいひび割れや剥がれに対しては、部分補修を行うこともできます。
コーキングなどを使用し、外壁の中に水が入らないようにすることができます。